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自分らしく働くことを諦めない「わたしのパラレルキャリア」の築き方【後編】

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9/29(土)に開催した、オンラインサロン「Think In Move」×「NPO法人二枚目の名刺」×パーソルホールディングス「ママボラン」のコラボ企画WOMAN TIES vol.3 #わたしのパラレルキャリアのイベントレポート【後編】をお届けします!

前編はこちら

本業と“2枚目”を両立するために手放したもの

坪倉:次のフェーズとして、パラレルキャリアを続けていくために、あえて手放したことなどがあれば教えてください。

前田:今はパラレルキャリアはもうやっていないのですが、育休中に半年以上2社でインターンを続けてこられた理由としては、やっぱり単純に楽しかったからだと思います。
それが辛かったり無理をする状態だったら続けられなかったと思うので、パラレルキャリアはいかに自分が楽しくやりがいを持って取り組めることにするかが一番大事かなと。

海野:コツっていうと難しいのですが、だいぶ自分のことは理解するようになりました。例えば、企画書を作成するとき自分は1時間かかるなーとか、自分が何にどれくらい時間かかるかがこの数年間で見えてきたと思います。

toko:パラレルキャリアは自分で加減を決められるのがいいですよね。本業が忙しいとき、環境が変わった時はオーダーストップできますし、余裕が出てきたタイミングで「再開します」とSNSで発信したり、刺繍好きな方が声をかけてくれたり、周りからもモチベーションをもらえるのが続けられているコツかもしれません。
ただ、自分の体力を過信しすぎると体調崩したりスケジューリングがうまくいかなくなったりするので、そこは欲張らずに手放した方がいいですね。

菅野:フリーランスなので仕事自体は一人で孤独なんですけど、続けていくために気を付けていることが2つあります。
1つは、応援してくれる仲間を持つこと。ネイルが失敗したのは周りに同じような人がいなかったからだと思っているので、今はオンラインサロンに入ったりして、パラレルキャリアを実践していて、同じ目線で話せる人がたくさんいるのがモチベーションになっています。
もう1つは、お金をなるべくかけないことです。最初は自分が食べるご飯だったり、使うモノだったりを使って活動していたので、ブログに書こうが書くまいがプラマイゼロという形で、自分にプレッシャーをかけずに続けられるような形で試せたのが良かったかなと思います。

もう一つの名刺、会社にどう伝える?

坪倉:特に会社員の場合、会社に対して気を付けていたこととかってありますか?

toko:本業は財閥系の日系企業なので、見渡す限り年上の男性ばかりで……(笑)。私が活動を始めた2014年にパラレルキャリアと言っても分かってもらえないのは目に見えていたし、何十万も稼いでいるわけでもなかったので会社には話していませんでした。
本業でもやりたいことができる仕事に就いていたので、もちろん本業優先で刺繍のオーダーのスケジュールを調整していました。
この春に人事に異動したのですが、うちの会社もしかるべき手続きを踏めば副業可能ということを初めて知りました

坪倉:もう一人飛び入りで聞いてみたい人がいるのですが、村上あゆ美さん(TIMサロン管理人/本業はSnapmartで営業/パラレルキャリアはホームパーティープランナー)どうですか?

村上:前は副業禁止の会社にいたのですが、SNS上で活動報告などはしたかったので、最初は「仕事」って言葉を使わなかったり、値段を公開せずに、あくまでも「趣味で誰かの役に立ってます」という体でやっていました。
でも段々と社内でやることやってれば、外でも自由にしていいよという会社の理解も得られてきて、パラレルキャリアの分野でのアドバイスを求められたりもするようになりました。
意外と副業禁止の会社でも、別の軸のキャリアをもう1つ作ることが今後必要だとひっそり思っている人は多いと思うので、社内で仲間を作っていくといいのかもと思っています。

「好き」や「得意」を人のために役立てる「パラレルキャリア」という働き方〜趣味のパーティー企画が企業の受注を得るまで

 

家庭やパートナーの理解

坪倉:では次は、ご家庭を持っている人は必ず直面する「パートナーからの理解」について聞いてみたいと思います。

前田:夫は同じ会社の同期で6年付き合っている間に、仕事への共通認識を持っている人であると知って結婚しました。
結婚する上で、働き続けていいのか、家にいてほしいのかのマインドセットが合っている人を選ぶことが必要かと思います。

海野:夫はいわゆる会社員なので、NPO?二つの仕事?という感じでした。でも働くことが好きだということは常々伝えていたので、出産しようが子育てしようが働くということは決めていました。
我が家では年に1回「露木サミット」(露木=海野さんの現姓)を開催して、夫婦で家族の今後について話し合っています(会場どよめき!)。アジェンダや議事録を用意して、あえて仕事っぽくして冷静に話し合える場を作っているのが、お互いの共通認識に繋がっていると思います。

toko:4人の中で私だけ独身ですが、昔付き合った人の中に、パラレルキャリアに対して批判的だった人がいました。私が主宰している刺繍部に専業主婦の方が参加したことを話したら、「土曜日子ども置いて遊んでいるの?」と言われて、「あ、この人ないわ……」と思いましたね(笑)。もう根付いてしまった人の価値観を変えるのって難しいので、結婚するときはしっかり見極めようと思います!

菅野:私は夫と二人暮らしなのですが、夫は「好きなことやったらいいよ~」と自由にやらせてくれる人なのであまり意識していることはないかな……(笑)。
しいて言うならお互いのスケジュールを共有しているのと、夫は私が具合悪くなることを心配するので、あまり仕事で自分に負荷がかからないようには気を付けています。

複数の活動・役割のメリハリ、どうつける?

坪倉:2つ以上の活動を続けるためには「メリハリ」って大事だと思いますが、みなさん意識されていることってありますか?

前田:4月から職場復職していて、本当に育児と仕事だけで一日があっという間に過ぎていきます。働いている時は子どものことを考えずに仕事に集中して、家に帰ってきたら子どもとの時間中心という風にメリハリは意識しています。まだ自分には子どもとの時間が一番大事だと思っていて、それが自分にとってのいいバランスだと感じています

海野:2018年はメリハリをつけない年にしています。去年はつけていたのですが、今はあえて混ぜこぜでやっていてそっちの方があっているな?と感じています。トライ&エラーですが、やってみないとわからないので今も模索中です。

toko:独身だと、帰ってからの時間を制御してくれる人がいないんですよね(笑)。ソファに座らないとか、すぐお風呂に直行するとか、ダラダラスイッチを入れないように意識しています。刺繍も趣味の延長なので、土日は朝起きたら刺繍!というように刺繍のリズムを自分の中で決めて、エンドレスでダラダラしないようにはしています。

菅野:メリハリなし派ですね。仕事も生活の一部という感じで、仕事になると思ってなく、やっていた好きなことが結果的に仕事になったというのが多いので。
今年、中古マンションをフルリノベして引っ越したんですけど、今はインテリアにすっかりハマってしまっていて、家の中を整えつつブログやインスタにあげていたら、細々と仕事にもなってきているんです。種まきをすると仕事になるもの、ならないものがあるけれど、好きなことだから発信も苦にならないです。

結局自分の道は自分の足で歩いていくしかない。そんなことを強く感じたトークライブでした。

4人の登壇者が自分の働き方を話す様子は、とても楽しそうなイキイキした表情で、本当に心から楽しんでいることが伝わり、それだけでも背中を押される空気感がありました。

自分のキーワードを考えるプチワーク

トークライブの後は、自分が持っているアセットや、周りからの評価・印象などを書き出して「自分を語るキーワード」を3つまで開示するワークを行いました。

もちろんいきなり「私の強み・スキルはコレです!」なんて見つからないので、まずは自己開示として自分のことを客観的に分析してみるという目的です。

「よく道を聞かれる」なんて珍回答も!座談会のアイスブレイクにもなり、大いに盛り上がりました。

インプットとアウトプットを回すことでジブンゴトになる

プチワークを踏まえて、登壇者4名を交えての座談会を行いました。

トークライブでは聞ききれなかった質問や、登壇者の働き方についての深堀などで盛り上がりました。

「いつもインスタ見てます!」「子どももいてなんでそんなにできるんですか?!」など近い距離で話せるからこそ、深い議論になり時間があっという間に過ぎました。

WOMAN TIESでは必ずワークとディスカッションの時間を設けるようにしています。トークライブで話を聴く(インプット)だけではなく、自分の考えを出して、周りと意見交換する(アウトプット)をセットで行うことで、WOMAN TIESのコンセプトをよりジブンゴトとして感じてもらいたいからです。

もやもやした思いも、ふんわりとした理想も、外に出して他の人の意見を取り入れることによって粘土のような状態から、こねて固めることで少しずつ形作られてくるものだと思います。

今いる場所ですぐにでもできるのがパラレルキャリア

「パラレルキャリア」は遠い世界のことだと思っていたけれど身近に感じられました。
私には何もないと思っていたけれどまずは好きなことを発信することを続けてみます。
いきなり仕事にならなくてもいいと聞いて肩の荷がおりました。

イベント開始時は真剣な思いつめた顔で話を聴いていた参加者が、こんな感想と、モヤモヤが晴れた清々しい顔を残してくれました。

「パラレルキャリア」というワードが独り歩きして、世の中の副業ブームも相まってハードルをあげているのかもしれません。

会社を辞めなくても、いきなり起業を目指さなくても、今いる場所ですぐにでもできるのがパラレルキャリア

自分のことをもっとよく知って、好きなことを活かして、自分らしく働く女性が増えることを応援したい。

WOMAN TIESは自分と向き合うことでモヤモヤを紐解き、理想を明確にして、そこに向かって一歩踏み出すきっかけを見つける場所でありたい。

これからも理想を持った女性たちを繋げ、これからの働き方を前向きに考える場をつくることで、自分の道を自分の足で歩く女性を増やしていきたいです。

WOMAN TIESについてもっと知りたい方はこちら

写真:村上あゆ美

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ライター

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編集者

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カメラマン

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浜本 晴菜
ライター
1989年生まれ。会社員としてパッケージの企画・デザインのディレクターをしながら、パラレルキャリアで「コンセプトストーリープランナー」を名乗り、人・モノ・コト・場所や空間などが持つ”想い”を、ターゲットに的確に届けるための言葉づくりを提案している。 プライベートでは2児の母。育児をしながらも、本業・パラレルキャリアでやりたいことに挑戦し続けることで、世の中の働くママたちの背中を少しでも押したいという想いで、働く女性が繋がり自分らしい働き方をを考えるイベントなどを企画している。 https://note.mu/conceptstory
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