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「公務員が2枚目の名刺を持って活動することが普通の社会をつくる」という公務員×2枚目の名刺プロジェクト(以下、公務員プロジェクト)の趣旨に賛同し、自身も2枚目の名刺を持ちながら、このプロジェクトにも参画。当Webマガジンで記事を発信してくださっている金治諒子さんと、これからメンバーに加わる高沖紗希さん。

現役公務員である金治さんと高沖さんが、なぜパラレルキャリアに興味を持ち、2枚目の名刺を持って活動しているのか。そこから得るものや、実現したいことは何なのか。また「2枚目の名刺Webマガジン」を通して何を発信し、誰に何を届けたいと思っているのかーーー。

神戸で開催した作戦会議終了後に、プロジェクトデザイナーの島田正樹がお二人にお話しを伺った。

「公務員ライター」という2枚目の名刺

島田:まずお二人の本業と、NPO二枚目の名刺で一緒に取り組んでいる公務員プロジェクト以外で持っている“名刺”を教えてください。

高沖:本業は三重県職員です。パラレルキャリアの活動としては、「ミエニアル」というwebメディアをこの夏にオープンさせました。三重を訪れる人に新しい楽しみ方を紹介したり、三重に住む人たちにこの地での素敵な生き方を提案したりできたらいいなと思い、これまであまりメディアに取り上げられていなかったような三重にあるモノ・コト・ヒトにスポットを当てていこうと思っています。

金治:私の本業は、姫路市職員です。いくつか社会活動をしていますが、公務員プロジェクト以外だと、市民の有志メンバーたちと一緒にやっている、姫路の面白いモノ・コト・ヒトを見つけてwebで紹介したりする「I Love Himeji Project」というプロジェクトが今の主な活動です。

島田:面白いですね。お二人とも、自分が住むまちと公務員の新しい働き方の2つのテーマで情報発信をしようとされている。

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(左:高沖さん、右:金治さん。和気あいあいとした雰囲気の中でインタビューが行われた)

メディア運営を通して地元を好きになりたい

島田:それを始めようと思ったきっかけって何だったんですか?

高沖:もともと文章を書いたり、人の話を聞いたりすることが好きで、就職活動のときは記者志望だったんです。でもマスコミには縁がなくて……。公務員の仕事をしながら、他の方が創ったwebメディアでボランティアライターをさせていただいたりしていたのですが、もっと自由に発信したいなと思い始めて、それなら自分でメディアを作ってしまおうと。

あと、大学で県外に出たときに「三重県って何があるの?」と聞かれることが多かったので、もっと県外の人たちに三重県のことを知ってもらいたいなという思いもありました。それに自分が生まれ育った場所をもっと好きになりたいな、と。

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島田:三重をもっと好きになりたい?

高沖:実は私、「県外に出たい」という思いがずっとあって……。県内でもかなり田舎のほうで生まれ育ったので、まわりに何もない分、テレビや新聞、雑誌などのメディアから影響を受けることが多かったんです。それで、いつか自分もメディアを創る側になれたらいいな、と思っていました。

島田:地元を出て、マスメディアを創る人になりたいと思っていたのが、地元に残って、自分もこの土地を好きになりたいし、他の人にも好きになってもらいたい。そんな風に思うようになったってことですね。

高沖:そうですね。ネガティブなのか、ポジティブなのかよく分かんないですけど(笑)。

金治:その気持ち、分かります。問題意識というか、課題感、不足感……それがエネルギーになることって多いですよね。私もパラレルキャリアを始めたきっかけは、子育てに対する負の感情でした。

母でも公務員でもない、「私」の関心ごとを見つけるまで

高沖:そうだったんですか?

金治:私は子どもを産んで人生変わったタイプなんですよ。30歳で第一子を出産したあと、子育てがすごーくしんどくて。今思えばマタニティーブルーだったかもしれないのですが、とにかく気持ちが落ち込んで、泣いている赤ちゃんと一緒に泣いているような日々でした。

それで、このままじゃあかん!と思って、とにかく外に出て、社会とつながろう、と。最初は児童館やママ向けのサークルに行っていたのですが、自分の興味の趣くままに色んな場所に顔を出していたら、子育てのことを何でも相談できる、気の置けない友達ができました。

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島田:それが育児休業中に社会とつながったきっかけだったんですね。

金治:そうです。でも、その後もう一度苦しんだ時期がありました。ママコミュニティーの中で、オムツがどうとか、離乳食がどうとか、子どもについての話題ができる友達はたくさんできたけど、私の興味はそれだけなのかなって。子どもの成長ももちろん大事なんだけど、それ以外にも自分の関心ごとがある気がして、また一歩外に出てイベントや勉強会などに参加しているうちに、課題意識を持って社会活動をしているI Love Himeji Projectの仲間たちと出会いました。

島田:なるほど。自分の真の関心ごとと2枚目の名刺がつながるまでに、紆余曲折があったんですね。

公務員が2枚目の名刺で得られるもの

島田:実際にパラレルキャリアをやってみて、本業外の活動だからこそ得られるものって何かありましたか?

高沖:「やりたいことがずっとできる」ということですね。本業では人事異動もあるので、なかなかそうはいきません。もちろん異動先で、思ってもみなかった発見があったり、新たなスキルが身についたりするのがこの仕事の魅力でもあるのですが、自分の中でキャリアの軸みたいなものが欲しいなという思いがありました。それを叶えてくれるのがパラレルキャリアです。

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島田:金治さんは、本業外の活動をすることで、「こうなればいいな」といった未来の展望ってあるんですか?

金治:私が社会活動に携わっている理由は、自分の子どもたちの世代まで持続可能な社会を実現するためなんです。そのためにも、まずは「元気な母」でいたいなって思っています。やりたいことをして、生き生きとし続けたいなって。それが社会を創る原動力にもなるので。

同様に2枚目の名刺というツールを通して、好きなことをやり、生き生きとしている「元気な公務員」が増えればいいなと思っています。そうすればもっと組織もよくなるし、まちも活性化するんじゃないかなって。公務員プロジェクトのビジョンって、私の想いとぴったり合致してるんですよ。

島田:そうやってビジョンを共有してもらえていると、とても心強いです。ありがとうございます!

公務員ライター、やりませんか?

島田:実はこの対談は、読者の方にお二人の「2枚目の名刺ストーリー」を知ってもらうと同時に、もう一つ目的があるんですよね?

金治:はい。私たちと一緒にwebマガジンで公務員関連記事を発信してくれる、ライターさんを募集します!(※現在募集を終了しています)

島田:そう。公務員が2枚目の名刺を持ちやすくなるための「雰囲気づくり」の一環として、“2枚目公務員”のインタビューをしたり、イベントの取材をしたりして、このWebマガジンで記事を発信しているわけですが、もっと取材したい人もイベントも、テーマもあるんです。

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高沖:昨今の副業・兼業解禁の流れもありますしね。記事を発信することで、雰囲気づくりを加速していけたらいいですよね。

島田:公務員の方はもちろん、公務員以外の方でも構いません。メディアでのライティング経験も不要です。お住まいの地域も問いません。持っていて欲しいのは、「公務員が2枚目の名刺を持つことが当たり前の世の中を創りたい」という想いだけ。

金治:島田さんは埼玉県に、高沖さんは三重県に、私は兵庫県に住んでいますが、打ち合わせや原稿のやり取りもオンライン上で問題なく行えています。今後、全国各地の“2枚目公務員”を取材していきたいので、遠方の方も大歓迎です!

公務員ライターのやりがいとメリット

島田:ところでお二人は、これまでにライターとして取材をされてきた中で、どんなことにやりがいを感じましたか?

高沖:一番大きいのは、人に喜んでもらえたことですね。「ミエニアル」の初回取材のとき、インタビュー終了後に「自分の人生を振り返ることができて、すごく貴重な機会でした」「もっと人生を楽しもうと思いました」とお礼を言っていただけて。それがすごく嬉しかったし、これからもインタビュイーに何か還元できる取材がしたいという目標ができました。

金治:同感です。今日も自分の書いた記事を読んで作戦会議に来てくださった方がいましたが、そういう誰かのアクション、特に“始めの一歩”や“次の一歩”につながったのだと思うと、すごく励みになります。

島田:読んでくれた人にも、取材を受けてくれた人にも、何かしらの価値を届けられる。それに人が動いたり、変化したりするきっかけを創れるのは、メディアのいい面ですよね。

高沖:公務員プロジェクトは今日が初参加でしたが、日本各地の公務員の方とつながりが持てて、話を聞けるのも、稀有な体験になりそうです。

金治:そうそう。普段なかなか出会えないような人たちとのつながりが生まれますよね。インタビューを受けてくださる方も活躍されている方々ばかり。そうした人たちに対面でお会いできて、深い話が聞ける。あとは自分のブログで発信するよりも断然、記事を広く届けられますね。

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パラレルキャリアで公務員の可能性を拡げたい!

島田:では、最後にお二人に話しを戻して。このWebマガジンを通して発信したいのは、どんなことですか?

金治:熱い想いを持って社会活動をされている公務員の方をもっと紹介していきたいですね。記事を読んでくれた公務員の方が、「こんな公務員がいるんだ」「こんなこともできるんだ」と知って、「自分も何かやってみよう」と始めの一歩を踏み出してくれたら嬉しいです。

高沖:私は「パラレルキャリア」という言葉を知ったときに、本当に道がひらけたような気がしたんです。本業を持ちながら、昔から抱いていた夢も叶えられるんだって。それまでは本業が世界の全てみたいに考えてしまう部分もありましたけど、そうではない生き方ができるようになったことで、自分の夢ばかりに固執せず、配属された先で頑張ろうという気持ちがより強くなりました。

同じように、「社会人になったから、やりたいことは我慢しなければいけない」「異動でやりたいことができなくなった」という理由で落ち込んでいる人に、パラレルキャリアという選択肢があることを届けたいですね。

金治:今、やりたいことがわからなくてモヤモヤしている人も、色んな人のストーリーを読むことで、見つかるかもしれないですしね。

島田:ありがとうござました。公務員が2枚目の名刺を持とうと思ったとき、一番大きな障壁って、実は職場や業界の中の無言の圧力だったり、自分の中の周りに対する気まずさなんじゃないかと私たちは思っています。それらを変えられるのは、やはり社会的な雰囲気です。

公務員プロジェクトでは、これからもWebマガジンを通じて公務員が2枚目の名刺を持つというスタイルについて発信していきます。

新たな仲間が加わって、“2枚目の名刺を持つ公務員”の生き方をより一層伝えられるようになることが、きっと社会の変化を後押しする力になるはずです。ぜひ一緒に、新しい公務員のスタイルを発信していきましょう!

公務員プロジェクトおよびWebマガジンのライターに興味のある方は、info@nimaime.or.jpよりご連絡ください。(現在募集を終了しています)

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はしもと ゆふこ

はしもと ゆふこ

2枚目の名刺webマガジン編集者。 出産を機に出版社を退職し、ママ向け雑誌や広告、Webメディアなどで編集・ライターとして活動している。