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「休んでいるはずなのに疲れが取れない」

「やりたいことが多くあるからこそ、効率良く休みたい」

そう考えているパラレルワーカーの方は少なからずいるのではないでしょうか。

今回は、『一流の人をつくる 整える習慣』(KADOKAWA)、『自律神経が整う時間コントロール術』(小学館)の著者であり、順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏に「効率の良い休み方」についてお伺いしました。

自律神経が整っていれば、疲労は溜まりにくくなる?

――自律神経を整えることが、休む上でも大切だと伺いました。本当なのでしょうか?

はい。そもそも自律神経とは、呼吸や血流、臓器や器官などの働きを無意識のうちに整えているものです。自律神経が乱れると、それらの働きに影響を及ぼします。具体的には、疲れが取れにくくなったり、イライラしたり、やる気が減退したりなど……。

逆に言えば、自律神経が整っていれば、疲労は溜まりにくくなり、仕事でもより高いパフォーマンスを発揮することができるようになります。

――そもそも、どういう時に自律神経が乱れるのでしょうか?

想定外のことが起きたときや時間的な余裕がないとき、天気が悪いときに乱れやすいです。天気はどうしようもありませんが、自律神経を整えるには“時間をコンロトールすること”が大事になってきます。

他人の時間に左右されすぎると自律神経は乱れる

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――どのように時間をコントロールすれば良いのでしょうか?

他人の時間に左右されないほうがいいですね。たとえば、仕事の打ち合わせは、相手の都合に合わせなければいけないことが多いですよね。同じ日に立て続けに打ち合わせが入る日もあれば、先方の都合で予定が突然変更になる日もある。しかし、そのように他人の時間に左右されてばかりいると自律神経は乱れてしまいます。

理想は自分のペースをキープしながら相手の予定を調整するのがいい。

ただ、現実的にすべて自分ペースで予定を組むのは難しいですよね。ですので、予定の前後の時間を調整して、少しでも自分の負担を軽くしましょう。あるいは、こちらから候補日をいくつか提案する。そうすることで、相手に左右される時間を減らすことができます。

――いくつもの仕事をこなすパラレルワーカーは、どうしても予定が詰まってしまいがちです。スケジュールが詰まっていて、調整が難しい場合はどうすればいいのでしょう?

詰まっている予定で、ムダなものが含まれていないか見直してみましょう。そのためにまず朝起きてから夜寝るまでの1日の生活と仕事のパターンを書き出す。1日の予定を把握できると、1週間のスケジュールもわかってきます。そうすると1ヶ月の予定も見えやすくなる。これらを手帳に書き出して可視化することで、ムダな予定の整理ができますし、自身が使える時間がどれくらいあるのかも明確にもなるでしょう。

ゴールデンタイムでやるべきことを整理する

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――仕事がはかどる時間帯はあるのでしょうか?

午前中ですね。自律神経のバランスが整っており、集中力や判断力が高まります。私はこの時間を「動のゴールデンタイム」と呼んでいます。重要な判断が必要な仕事や、企画アイデアの検討などクリエイティビティが求められる業務をおこなうのに向いているんです。

人によっては、朝に出社してメールチェックをおこなう方もいるでしょう。しかしそれでは貴重なゴールデンタイムの時間を削ってしまうので、おすすめしません。またスマホやタブレットの通知もオフにしましょう。オンのままだと、通知確認のついでに、ニュースやSNSなどそのまま違うものをチェックしたくなってしまいます。

ゴールデンタイムに余計な気を散らされないようにすることで、より生産性は高められるでしょう。

――ゴールデンタイムは午前中しかないのでしょうか?

午前中ほどではありませんが、16時から18時の時間帯も自律神経のバランスがいい時間です。なので、午前中にやり残した重要な仕事はここで取り組むのがいい。

それ以降の時間は、体が睡眠に向けて休むモードに入っていきます。この時間から気合を入れて仕事をがんばったり、夜まで残業したりしても高いパフォーマンスは発揮しにくいので、業務効率は上がりません。

――ゴールデンタイムにやるべきことを整理して予定を組むことが、仕事で高いパフォーマンスを発揮するためには重要なのでしょうか?

そうですね。パラレルワーカーだからこそ、スケジュールの管理は大切です。ゴールデンタイムに合わせて仕事をこなせるよう、スケジュールを整理することで休み方を見直すことができ、結果的に質の高い仕事につながります。

1週間に半日は予定を入れない時間をつくる

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――パラレルワーカーは、「効率よく、たくさんのことをこなしたい」と考える方が少なからずいると思います。効率の良い休み方を教えてください。

土日以外に1週間に半日でもいいからなにもしない日をつくることですね。スケジュール管理を考えすぎると、すきま時間まで効率的に使おうと思ってしまい、すべての時間帯に予定をいれてしまう場合があります。そうするとなにかアクシデントが起こったときに対応できる時間がなくなってしまいます。

――なにもしない日とは?

予定を入れない日という言い方が正しいかもしれないです。仕事の残作業とか、好きなように使える時間を確保する。遊びにいきたければ遊びにいけばいいし、映画観にいきたければいけばいい。予定表を見たときに、視覚的にもなにもないことで心の余裕も生まれやすくなります。

――休む際に気をつけるべきことはありますでしょうか?

ひとつは、休日と仕事の日の行動を極端に変えすぎないようにしましょう。休み過ぎも自律神経が乱れる原因になります。

休日でも起きる時間は全く同じにするのがコツ。休みくらい長く寝たい人もいるかもしれませんが、人間は寝だめができないだけではなく、長すぎる睡眠は体に疲労を蓄積させてしまうので良くありません。どう過ごせばいいか迷った場合は、軽い仕事を入れておくのもいいでしょう。翌週の仕事の予定を確認しておく程度でも構いません。そうすることで、休み過ぎを防ぐことができます。

また、普段とは質の違う予定を入れるのもいいですね。仕事の際に人に会うことが多いならば、休日はひとり落ち着ける場所でゆっくり読書をするのがいいかもしれません。

次に、睡眠の質を高めること。睡眠不足だと集中力が続かなくなります。

質の高い睡眠を取るには寝る2〜3時間前の過ごし方が重要です。理想としては寝る3時間前に食事を済まし、2時間前には仕事も終え、1時間前にはPCや携帯を見ない。そうすることで、質の高い睡眠を取りやすくなります。更に言うと22時から2時は「睡眠のゴールデンタイム」です。成長ホルモンが活性化する時間帯なので、疲労回復効果が高まる時間です。

――やりたいことがあると、ついつい夜中まで取り組んでしまいそうです。

どうしても仕事をやらなければいけない場合でも、「睡眠のゴールデンタイム」は寝て、2時に起きて作業するといいですよ。そうすることで疲労は多少回復されます。

しかし、質の高い仕事をするためには、やはり睡眠が大切です。今は夜更かししてうまく仕事が回っていても、いつか必ずそのツケを払うことになることを覚えておいて欲しいです。

――やりたいことが多くあるからこそ、休むことを前向きに考えることが必要なのだと思いました。貴重なお時間をありがとうございました。