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2018.07.02

「なぜ彼らは2枚目の名刺を持ち得たか?」パラレルキャリア実践のポイント~野澤武史のゴリ推し!特別編

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過去や今現在、2枚目の名刺を持って活躍している(してきた)“2枚目ラグビー人”へのインタビューをお届けしてきた「野澤武史のゴリ推し!」。

特別編の今回は、全10回のインタビューと執筆をしてくれた野澤武史さんと、NPO法人二枚目の名刺の代表・廣優樹が、連載を振り返りながら、「2枚目の名刺がうまくいくコツ」を探ります。

野澤武史のひと言振り返り

「なぜ10人は2枚目の名刺を持ち得たか?」

来た船を捕まえる? 船が来そうなところに立つ?

廣:「ゴリ推し!」を振り返ってどうだった?

野澤:それぞれ違った形で2枚目の名刺を持ってたけど、「来た船を捕まえる人」と「船が来そうなところに立つ人」の2パターンあるんだなって思った。

廣:ゴリ(※野澤さんのニックネーム)の場合はどっちなの?

野澤:来た船に乗ったパターンだね。たまたまラグビー解説のお仕事をいただいて、はいはいと引き受けているうちに、評論家という立場を得ることができた。コーチングの仕事もそうだけど、自分から何かを仕掛けたことって一度もないんだよ。ただ、いただいた仕事はいつも、頂いているお金以上の価値を出そうと思ってやってきた。

ゴリ推し特別編

廣:この連載もそうだよね。たまたま飲んでいた時に、僕が「2枚目の名刺Webマガジンで何かやろうよ」って声をかけた。

野澤:それで僕が、「やらせてよ」と言ったんだ。最初はビジネス界のリーダーとリーダーシップについて対談したいと思ってたんだけど、僕とビジネスリーダーじゃ話が噛み合わないって思われたようで(笑)、ラグビーに限定した方がいいという話になった。

廣:いや、そんなことなくって(笑)。「ラグビー業界に2枚目の名刺というコンセプトを広げる」ってことをやりたいなって思ったんだよね。ゴリが業界内のインフルエンサーだからこそ、その波及力はきっと大きい。まずはそこで発信してみたいと思って。

野澤:深い話ができたから、ラグビーにして正解だったと思うよ。「面白そうな生き方してるな」って思う方たちにインタビューして、その人の本音や生き方の真髄を探るのはすごく楽しかった。今2枚目の名刺を持っていようと、今は本業だけで勝負していようと、そこにかける本気度が、10人ともに抜群だった。

最初から大きいことである必要はない。まずは挑戦する。

野澤:10人から共通して感じたのは、「自分がやらなければ誰がやるんだ」といった使命感で勝負してるってこと。そして自分の信念に向かって、実際に動いている。

廣:「やってみる?」って言われた時に、「ちょっと考えさせてください」と二の足を踏むのではなく、「やります!」ってアクションを起こせる。そういったことも結構大事なんだなって感じた。

野澤:(本堂)杏実ちゃんは、まさにそのタイプだよね。いつもとは違う船に「乗ってみない?」って言われて「乗ります!」って、新しく始めた競技でパラリンピックにまで出場しちゃった(笑)。

廣:2枚目の名刺を持つ人は、挑戦してるよね。今いる場所に固執しないし、環境や状況を誰かが変えてくれるのを待つ人たちではない。

野澤:みんな何かしらのリスクを取ってるんだよね。あと、僕もそうだけど、やろうと思った時って、そんなに大きい決断をしているとは思っていない。でも後から振り返ってみると、「こんなに大きな山を登ったんだ」「実はあれってすごい決断だったんだな」って思ったりする。

廣:それはあるね。

野澤:だからもし、「2枚目を始めたいけどどうしよう」と悩んでいる人がいたら、デカイことをやろうとしないことが大事なんじゃないかな。メディアは成功した人ばかりを扱うから、彼らがものすごく大きいことをしているように映るけど、はじめの一歩は大したことではない場合も多い。

廣:確かに、面白そうだからやってみよう、誘われたからやってみようって、気軽にスタートしている人もたくさんいるよね。

野澤:最初のうちは大したスキルがなくても、少しずつ経験や価値を増やしていって、他の人がマネできないようなところまで持っていく。でも、そこに辿り着くまでには、決断を迫られたり、困難に突き当たったりすることがある。そこを乗り越えられるか否かで、2枚目の名刺がうまくいくかどうかが決まるんじゃないかな。

ゴリ推し特別編

常にベクトルを「自分」に向けておく

廣:必ずしもうまくいくことばかりじゃないかもしれないけど、それも一つの経験だと捉えて、面白そうだ、やってみたいと思ったことに、何度でも飛び込めるかどうかということも重要なポイントだと思う。「どうやったら2枚目の名刺を始められますか?」と聞かれた時、「動いてください」としか言えない。動くことを繰り返していけば、きっと自分なりのスタイルが見つかると思う。

野澤:動きながら来たチャンスを生かせる時と素通りしちゃう時があるけど、その違いって、自分のアンテナが立ってるかどうかじゃない? 自分の人生をちゃんと生きている時は、チャンスをモノにしやすい

逆にベクトルが他人に向いてる時って、せっかく来た船に乗ることを躊躇して、やれ失敗したらどうなんだ? やれ誰が責任取るんだ? って、主語が全部他人になってると思うんだよね。でも、「他人は確かにこう言う。それもわかる。でも自分はやりたいんだ」って、主語を「私」にして、ベクトルを自分に向けておくと、来た船に乗りやすいんじゃないかって思う。

廣:そうだね。やるかどうかを決めるのは自分だし、責任を取るのも自分。でもベクトルが他人に向いていると、そこを見誤っちゃうかもね。

ゴリ推し特別編

自分が好きでいられる自分であれ

野澤:何事でも自分事で捉えるからこそ、挑戦できるし、変われるし、変わった自分に気づくこともできる。廣と僕、そしてインタビューさせてもらった10名との共通点は、「挑戦できる自分が好き」じゃないかな。

廣:そうだね(笑)。僕にとっても、やっぱり「挑戦し続けられるか」は結構重要な要素かな。今、ある意味一番自分が一番恐れていることって、何かをきっかけに「挑戦できなくなる」ことかもしれない。

野澤:加えて、「自分はこう思う」って自分を主語にして意見を言えないと、2枚目の名刺って続かないし、成功しない気がするな。

廣:人と意見が違ったり、非難されたりすることを恐れると、自分軸で動けなくなる。

野澤:「ゴリ推し!」でインタビューした10人は、みんな自分がやってることも、自分のことも信じている、自分好きな人たちだったと思う。

廣:自己肯定できないと、自分の価値観を信じることは難しいよね。

野澤:2枚目の名刺を成功させるコツがあるとすれば、「自分が好きでいられる自分であれ」ってことかもしれないね。

振り返ってみるとあっという間の1年半、お付き合い頂きありがとうございました!この連載は、2つの目的を持って始めました。1つは、2枚目の名刺の一歩目を踏み出すことを躊躇している方に、何か僕にできることはないだろうか?と考え、起こしたactionとして。もう一点は、単純な好奇心です。一読者として「この人の話を聞きたい!」という欲望のままに行動した結果でもありました。純粋にオモロかった。この仕事の感想は、その一言に集約されます。これからも、好きなことにアンテナを張りつつ、また違った形でoutputを続けていきたいと思います。またいつか皆さんと再会できる日を楽しみにしています。それでは、Good luck!

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はしもと ゆふこ
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女性誌出身の編集者。 「人生100年時代」に通用する編集者になるべく、雑誌とWebメディアの両方でキャリアを重ねる。趣味は占い。現在メインで担当するWebメディアで占いコーナーを立ち上げ、そこで独自の占いを発信すべく、日々研究に励んでいる。目標は「占い師」という2枚目の名刺を持つこと。