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2020年に東京で開催される国際大会に向けて、「二枚目の名刺×パラスポーツプロジェクト」が動き始める。

同プロジェクトでコーディネーターを務めるミクロさん(25歳)は、今年2月~6月にかけて行われたNPO法人日本パラ・パワーリフティング連盟(以下、JPPF)のNPOサポートプロジェクトに、メンバーの一人として参加していた社会人2年目の女性だ。

「スポーツとは縁のない生活をしてきた」というミクロさんが、なぜNPOサポートプロジェクトでパラスポーツの競技団体に参画したのか、また引き続きこのプロジェクトに参加することを決めた理由は何なのかを聞いた。

スポーツへの関心はほとんどなかった

ミクロさんがJPPFのプロジェクトメンバーになったのは、二枚目の名刺が主催する「Common Room(社会人とNPOの出会いの場)」への参加がきっかけだった。

「Facebookで二枚目の名刺をフォローしていた友人がいて、NPOサポートプロジェクトやCommon Roomの存在を知りました。私は当時、社会人1年目。仕事を覚え、経験を積みながら成長しているという実感はありましたが、仕事の他にもいろんな経験をしてみたいという思いがあって、二枚目の名刺の活動に興味を持つようになりました」

そこでミクロさんは、今年2月に開催された「Common Room45」に参加することにした。

ここでは3つの団体(同回では、JPPFのほか子育て支援団体とLGBT支援団体が参加)から1つの団体を選択し、サポートプロジェクトを推進していくことになっていた。ミクロさんは、JPPFのサポートプロジェクトを選んだわけだが、当初は同プロジェクトに加わることになるとは思ってもみなかったのだという。

「元々、スポーツには全く興味や関心がないんです。学生時代は吹奏楽部でしたし、運動神経も全くないので(笑)。健常者スポーツも親が見ていたら一緒に見る程度で、障がい者スポーツに関してはほとんど知識もありません。そのため、Common Roomでは学生時代に少しだけLGBTの勉強をしていたこともあり、漠然とではありましたが、そちらのサポートプロジェクトに参加しようかなと思っていました」

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学生時代のリベンジができるかもしれない

そんなミクロさんの心を変えたのは、1本の動画だった。

「JPPFのプレゼンで流れたリオパラリンピックのクロージングセレモニーで使われた「YES I CAN – Paralympics RIO 2016 – We’re The Superhumans!」が凄く格好良くて惹かれたんです。プレゼンの後で3団体のうち、2団体から直接お話を聞ける機会があったのですが、LGBT団体の後で、JPPFのお話も聞いてみることにしました」

そして、結果的にミクロさんがJPPFを選ぶ決め手になったのは、同協会がサポートを求めていた課題に対して、自身が持つ過去の苦い経験を活かせると考えたからである。

「学生時代に環境系のNGO法人でインターンをしていた時に、FacebookやTwitterといったSNSの更新作業を任されていました。私が担当しているうちは順調に更新できていたのですが、インターンが終了した後から、更新がパタッと途切れてしまったんです。本来なら、私がいなくなっても更新を続けられるような仕組み作りをするべきだったのですが、当時はそこまで考えられていなくて……。その後悔がずっと残っていて、いつかリベンジをしたいと思っていました。そういった中で、JPPFさんは、“広報力が弱い”という課題を抱えていらっしゃいました。今の私なら、何か力になれるかもしれない。そう思ったので、JPPFさんのサポートプロジェクトに参加することを決めました」

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様々な人との出会いや経験が面白くて、楽しかった

こうしてミクロさんは、JPPFのサポートプロジェクトに参加を決めることになった。しかし、プロジェクトは年齢や職業も違う、初めて出会うメンバーたちと進めていかなければならない。それはもちろん、他のメンバーにとっても同じことである。プロジェクトは手探りの状態からのスタートとなった。

「本当に一人で参加したので、メンバーは知らない人しかいませんし、スポーツのことは全くわからないし、不安が大きかったです。それに最初の頃はJPPFを運営する吉田夫婦からパラ・パワーリフティングの魅力など、楽しいお話を伺っていたのですが、プロジェクト自体がなかなか進まないことに対して焦る気持ちもありました」

それでも、3月が終わるころから、ようやくプロジェクトが進展を始めたという。

「とりあえず、皆でいろいろとアイデアを出しながら、役割分担をして進めていくことにしました。私はメンバーで最初に集まった時に、広報系を担当したいという意思を伝えていたので、FacebookやTwitterの更新を担当させてもらえることになりました。ただ、更新作業自体はJPPFが行うので、『こういう文面で発信したらどうですか?』といったような提案をしたり、実際の文面を考えて送ってみたりしました。またパラ・パワーリフティングのファンを増やすために、他のメンバーが選手のインタビュー記事や動画を作成することになっていたので、メンバーの進捗を見ながらインタビューの文字起こしを手伝ったりもしました」

こうしてサポートプロジェクトは順調に進み始める。だが、ミクロさんにはプロジェクトに参加する上で、もう一つの不安があった。それは、自宅が遠方にあることだ。プロジェクトのミーティングに参加するためには、片道1時間半の移動を要し、仕事が忙しい時などはどうしても行けないこともある。最初はそれを申し訳なく思う時もあったそうだが、その気持ちも徐々に解消されていったという。ミクロさんの不安が払しょくされたのは、見ず知らずだったプロジェクトメンバーたちの手助けと、何ごとにも代え難い貴重な経験だった。

「私が東京に行けない時は、テレビ電話で参加をさせてもらいました。最初はテレビ電話だとやりにくいかもと思っていたのですが、メンバーたちが私の参加しやすいように話題を振ってくれたのがありがたかったです。メンバーはとてもいい方たちで、本業では部下を持つ40代の方もいたり、普段何をやっているのかわからないような人もいたり(笑)。普段私のまわりにいないような人たちに出会えたのが、面白かったし、楽しかったです。また大会やイベントのサポートなどJPPFのサポートプロジェクトを通じて、これまでできなかった経験ができたことも、自分の人生にとっては大きかったです」

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スポーツと無縁だった人も参加しやすい空間をつくりたい

メンバー一丸となって推進したJPPFのサポートプロジェクトは、一定の成果を挙げて完遂した。本来ならここで終了となる予定だったが、「二枚目の名刺×パラスポーツプロジェクト」でJPPFのサポートプロジェクトが再び始動することになった。もちろん、JPPFのプロジェクトメンバーたちが参加する義務はないが、ミクロさんは新プロジェクトで、チームをまとめるコーディネーターを務めていく。

ヒロさん(プロジェクトデザイナーの小林忠広)から引き続きプロジェクトをやっていかないかと誘われた時に、だらだら続けたくはないという話はしました。やるからには、これから参加する方たちと一緒にちゃんと目的を決めて、そこに向けて進んでいきたいと思っています。コーディネーターのお話を聞いた時は少し驚きましたけど、そういうチャレンジが仕事以外の場でできるなら、ぜひやってみたいと思いました」

気持ちを新たに再びパラスポーツの事業推進に関わることになったミクロさん。インタビューの最後では、これからパラスポーツプロジェクトへの参加を考えている方に、伝えたいことがあると切り出した。

「私のように、スポーツへの強い関心や経験がない方でも、プロジェクトを通じて良い経験を得ることができると思います。スポーツと無縁だった方も参加しやすい雰囲気を作れたらいいなと思っていますし、JPPF以外の団体さんでも、入ってみたら競技の魅力に触れられるはずなので、そういう話をどこかで共有できたら面白いなとも思っています。私もサポートプロジェクトとは別にやりたいこともあって、どこまで続けられるかはわかりませんが、パラスポーツプロジェクトの活動に興味をもってもらえたら嬉しいです」

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11月6日(月)にスタートする、JPPFと日本肢体不自由者卓球協会をパートナーに実施される「二枚目の名刺×パラスポーツ サポートプロジェクト」に参加しませんか?

詳細は>こちら

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SunagaYuichiro

SunagaYuichiro

フリーライター・フォトグラファー