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こんにちは!2枚目の名刺webマガジン サムライト編集部です。
2枚目の名刺webマガジンでは、本業を続けながらも他の仕事や非営利活動にチャレンジする人たちを応援しています。これまでも、2枚(時にはそれ以上!)の名刺を持つ方々にお話を伺ってきました。

・【インタビュー】前編:大企業の採用担当、NPO理事、企業家…27歳の僕が、名刺を何枚も持つ理由
・35歳で死を宣告されたビジネスマンが見つけた、「がん患者の未来を創る」というライフワーク

最近では、ソフトウェア開発会社のサイボウズやロート製薬を筆頭に、社員の社外活動を支援する企業も増え始めてきています。「私も本業以外で社外活動をしてみたい!」とこっそり考えている…なんて方も、少なくないのではないでしょうか。

しかし、そんなときに高く立ちはだかる壁が就業規則。勤務している会社に兼業禁止規定が設けられていて、兼業をしようにもルール違反になってしまう…。そんな風に悩んでいる方、諦めるのはまだ早いです。だって、憲法では「職業選択の自由」が保障されているではありませんか!

強いのは憲法?それとも会社のルール?専門家に聞いてみよう

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「憲法で保障されてるんだから、誰にだって兼業する権利はあるはず!」「…でも、会社のルールに違反したらクビでは…?」

そんなモヤモヤした気持ちを抱えていては、前向きな気持ちで社外活動にチャレンジすることもできません。いっそ、就業規則や会社にまつわるルールの専門家にこの疑問をぶつけて、悩みを解決してもらいましょう!ここからは、編集部によるキャリアコンサルタントの菅田さんへのインタビューをお届けします。

【お話を伺った専門家】

菅田 芳恵さん/人事労務・キャリアコンサルタント

社会保険労務士などの13の資格を持つ専門家。コンサルティングや研修・セミナーの講師、カウンセリングなど、知識を活かしたさまざまな活動を行う。近年は、企業のハラスメントやワークライフバランスの推進でも活躍している。

そもそも、会社の「兼業禁止」規定ってアリなの?

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――菅田さん、今日はよろしくお願いします!単刀直入に聞きますが、企業の「兼業禁止」規定って、法律的には問題ないのですか?

菅田:ご存じのとおり、日本国憲法では「職業選択の自由」が保障されています。ですから本来、兼業するかどうかは完全に個人の自由です。実際に、兼業したせいで就業規則違反となって、解雇された労働者が会社を訴えるというケースでは多くの場合、会社側が敗訴しています。つまり、法律的に見ると兼業禁止というルールは…かなりグレーだと思います。

――ということは、どんな企業に勤務していても、自由に副業してOKなのでしょうか?

菅田:…法律上はそうであるとは言え、やはり、ほとんどの会社が兼業禁止の規定を設けているのが現状です。私自身、仕事として企業の就業規則作成を依頼いただくことも多いのですが、社長さんに「どうしますか」と聞くと、ほぼ100%「一応、兼業禁止規定を設けてくれ」と言われますね。兼業をするとそちらに時間を取られて睡眠や勉強の時間が短くなり、本業に差し障りがあるのでは、と考える方が多いようです。

兼業していることが会社にバレる=クビ、もありえる…!?

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――やはり、兼業NGな会社は多いのですね。そのルールに違反した場合、どのような処罰を受けることが考えられるのでしょう。クビ、というのもありえますか…?

菅田:兼業していることを理由に会社が社員を解雇した場合、最初にお話したように、訴えれば高確率で会社側が敗訴します。つまり、兼業している社員を見つけたからと言って、会社もすぐに解雇はできません。まずは「副業をやめるように」と厳重注意をされるはずです。それが最低でも3回くらい続き、それでも兼業をやめないようであれば、最悪、解雇となります。もし1度の注意もなく即解雇にされたような場合は、解雇自体が無効になる可能性が非常に高いので、専門家に相談することをお勧めします。

――ちなみに、社員の兼業を見つけても、会社が見て見ぬフリをしてくれる、というケースもあると思うのですが…。

菅田:そうですね。最近はアフィリエイトといったインターネット関連の副業をしている人が多く、そういった副業の場合はそもそも、ほぼ会社に気づかれません。それでも別の社員の告げ口などで兼業していることが分かってしまった場合は、「でもあの人も兼業しているし」と連鎖的にバレてしまうことが多いんです。

会社の立場に立ったら、そこまでたくさんの人を辞めさせたくはないですよね(笑)。なので、兼業をきっかけによほど勤務態度が変わった、というようなことがない限り、見て見ぬフリをしているケースも少なくないと思います。

会社での仕事に「手を抜かない」ではなく、「今まで以上に力を入れる」

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――見逃してもらえるケースもあるとのことですが(笑)、やっぱり、会社に理解を得て兼業できるというのがベストですよね。
いまの会社には兼業禁止規定があるけれど、どうしても兼業がしたい!という方に向けて、会社に嫌な顔をされず兼業できるような方法があれば教えてください。

菅田:やはり、会社に「どんな副業をしているのか」「なぜその副業をするのか」を真正面から、きちんと説明することですね。ただし、正直に言ってハードルは非常に高いです。本業である会社の仕事の手を抜かないというだけでなく、今まで以上に仕事に力を入れる必要があります。

なぜなら、ちょっとでも居眠りをしたりミスをしてしまうと、「副業をしているから疲れているんじゃないか」と、兼業しているせいにされてしまうんですよ。そういった状態が続いて職場にいづらくなり、自ら辞めざるをえなくなる…というケースも、正直あります。

――なるほど…。会社の仕事も絶対におろそかにしない、という覚悟が必要なんですね。

菅田:そうですね。繰り返しになりますが、大事なのは兼業しているか否かというよりも、会社での勤務態度です。どれだけ副業をしていようと、会社での勤務態度がとても良く、毎月のノルマも達成している、成績もどんどん伸びている…という社員をわざわざ辞めさせようという会社はありませんよね。

兼業をしたいならば、会社での仕事にもこれまで以上に責任を持つ、力を入れるという心がけで、上司に相談をしてみるのがベストだと考えます。

――ありがとうございました!

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平和的に兼業をしたいならば、「まずは、これまで以上に会社の仕事に力を入れるべき」というのが専門家の答えでした。そんなの厳しい!と思われたかもしれませんが、兼業が原因で会社での仕事に集中できなくなったら、本末転倒ですよね。

まずは、今のプライベートや趣味や本業のワークライフバランスを見直してみることが、実現に向けてのファーストステップなのかもしれません。