ママになって、離乳食ブランド「bebemeshi」を立ち上げた美容ライター

赤ちゃんが生まれて最初に口にする「食事」である離乳食は、味覚のベースをつくるものとして、とても重要。ただ、実際に作った人の多くからは「大人の食事を作るよりも大変だった」という感想を聞く。最近は共働き家庭も多く、慌ただしい日常の中で、野菜を細かく刻み、丁寧に出汁をとり、素材も厳選した離乳食をつくるのは至難の業である。

離乳食ブランド「bebemeshi(ベベメシ)」のディレクターである平沢朋子さんも、同じようにわが子の離乳食づくりに悩んだママの一人だ。美容系ライターとして活躍しながら、離乳食ブランドを立ち上げた平沢さんに、「2枚目の名刺」ホルダーになるまでの経緯、ママとして「2枚目の名刺」を持つ今の生活について話を聞いた。

「食べること」が好きな子に育ってほしい

「旅行とおいしいものを食べることが大好き」という平沢朋子さん。大学在学中からライターとしてのキャリアをスタートさせ、女性誌を中心にさまざまな媒体で活躍する中、2014年に娘さんを出産。まず考えたのが、「いずれ娘と旅行に行って、一緒においしいものが食べられたらいいな」ということだった。

「私自身も食べるのが好きな一家で育ちましたし、ケータリング&仕出し会社を経営する夫も、食への興味が強い人。一緒においしいものを食べるためにも、娘には“食べること”を好きになってもらいたい。ライターという仕事柄、気になったことは調べずにはいられないので、“食べること”についても本を読むなどして情報を集めていきました。その結果、離乳食がスタートしてから3歳までの間にいろんな味を体験させてあげたいと思ったんです」

娘さんが5カ月半になり離乳食がスタートした頃、平沢さんも仕事に復帰することに。そこで立ちはだかったのが「離乳食」の壁だった。

自分が納得して食べさせられるベビーフードが見つからない!

「その頃はまだ保育園に入れていなくて、友達の娘さんと一緒にベビーシッターにお世話になっていました。友達の家で見てもらうこともあるので、市販のベビーフードを渡して、食べさせてもらうことになるのですが、なかなか納得のいくものに出会えなくて…」

旬の素材を使っていて、素材そのものの味がわかるもの。そんな平沢さんの希望をかなえてくれる離乳食は、日本で流通しているベビーフードの中では見つからなかった。

「レトルト特有の味つけがされており、素材そのものの味が消えてしまっているものが多くて。親が食べて“おいしくないな”と思うものを食べさせるって、どうなんだろう…と疑問がわいてしまったんです」

また、自宅で食べさせる離乳食についても、新たな悩みが生じていた。

「最初のうちは1回食でほんの少ししか食べないので、一度にたくさん作って冷凍庫にストックしておくんです。でも、私の保存方法が悪いのか、しばらくすると霜がはってしまい“これ何だっけ?”という状態に(笑)。もちろん味も変わってしまいます。なんとか鮮度を保ったまま保存する方法はないかと考えたときに、思いついたのがうちの冷凍庫に入っている鹿肉でした(笑)」

平沢さんの親御さんが年に一回仕入れるという鹿肉。真空パックになっているので、時間が経ってもたたきにして食べられるほど鮮度が保たれているのだそう。

「これだ!と思って、夫に相談してみたんです。そうしたら“うちの会社に真空パックにできる機械があるよ”と。そこで、娘用の離乳食の食材を真空パックにしてもらい、ストックすることを試してみました。これがbebemeshiのスタートです。最初はまとめてパックにしてもらっていたのを、小分けにしてみたり、お出汁もお願いしたり。だんだん発展していくことになりました(笑)」

この真空パックに入ったストック離乳食が、平沢さんと娘さんの離乳食ライフを大きく変えてくれることになる。

「ママたちを助けられる!」の確信から、離乳食ブランドを立ち上げ

「ちょうどそのころ、娘はお腹がすくと大泣きする時期でした。いちからお出汁をとるような時間がないときにも、冷凍庫にストックがあると思うことで、私自身の気持ちがとても楽になりました。夫や私の両親に娘を預けるときも、冷凍したものを温めてもらうだけなので、私も預かる方も楽。もちろんベビーシッターにお願いするときも、ストックをお渡しするようになりました」

その後、遠方の友人宅に子連れで旅行をしたときにも冷凍ストックが大活躍。次第に平沢さんの中で、「これを商品化したら、助かるママたちがたくさんいる!」という思いが強くなっていく。

「商品にするなら、食材もこだわったものにしたい。野菜は町ぐるみで有機農業に取り組んでいる宮崎県綾町のもの。魚は離乳食で中心になる白身魚がおいしい愛媛県今治市の瀬戸内海で採れるもの。それぞれご縁がつながって、素材として使用できることになったんです」

満を持して、2016年1月に離乳食ブランド「bebemeshi」をデビューさせ、「おうちごはん」シリーズを発売

最初はご主人が経営するケータリングと仕出しサービス会社の一部門としてスタートし、ご主人は製造担当、平沢さんはディレクターとしてPRや販売促進を担当。ただ、PR業務の窓口はライターの仕事を通じて知り合った方にお願いすることにしたそうだ。

「それまで自分がライターとして、新ブランドの立ち上げや新商品発売のリリースをたくさん受け取ってきたので、立ち上げにあたっては、メディアの方にリリースを配ってお知らせすることが大事だということはわかっていました。でも、私がこれまでのお付き合いの中でコンタクトできるメディアの関係者はそう多くありません。そこはメディアの方々の連絡先をリストとして持っているプロのプレスの方に入っていただいたほうが良いだろうと判断しました」

プレスリリースの写真撮影やデザインなども、これまでライターの仕事でご縁があった方々が「bebemeshi」と平沢さんの想いに共感して協力してくれたのだという。

「本当にすべてのことが、いろいろなところでうまくつながりました。ロゴやパッケージデザインをお願いしたShogo SekineさんもPR担当の方がつないでくれたんです」

これだけ多くの人の協力が得られたのは決して偶然とは思えない。平沢さんがこれまでのライター業務の中で、丁寧なコミュニケーションを重ね、人脈を培ってきたからだろう。

「特に自分で意識しているわけではないのですが、人とのつながりが一番大事だと思うので、約束を守ることは心がけています。〆切を守るとか、時間を守るとか、どれも当たり前のことばかりですが…」

そんな丁寧な積み重ねの中、bebemeshiはさらに急速に発展していくことになる。

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(主食、魚やお肉、野菜といった一食分の食材とともにお出汁(ソース)もついている「おうちごはんセット」。大人でもおいしく食べることができる。

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写真:ハラダケイコ